小作農と豪農
どこの世界でもそうですが、最近まで金持ちといえば地主でした。米とか、小麦とかそういった農産物が今までは富の証でした。金持ちといえば地主であって、多くの土地を所有して自分はその土地を耕作せずに、小作人や使用人に耕させる、そして収穫の何割かを地代として納めさせて生活をしていました。そういった町の名士といわれる人たちが貴族や権力者であったのですね。
時代が進んで近代に近くなると地主も巨大化します。資本が導入されて、今までの地主の規模から大きなものへと変わっていきました。そして、それまで小作人でも地主でもなかった自分の田畑で細々ながらと生活していた自作農といわれる人たちが、地主のあこぎと言っていいような卑劣な手段で土地を追われ小作人に転落していったのです。こうした自作農の没落という、農民比率の最も大きな層を占めていた中間層が少数の地主と圧倒的多数の小作人という関係へと変化していくことが近代化でありました。
どうして地主はそこまでして自作農を囲い込んだんですかって?それは「儲かる」からです。搾取するためです。搾取をして儲けるんです。