アメリカ生活から 韓国

創氏改名

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最近、赤ちゃんの名前に珍しい名前をつけるということがたびたび話題になっております。真偽の程はわかりませんが、ある大学の先生に言わせると偏差値が低い大学ほど読みにくい名前が多く、高いほど読みやすい。学籍名簿を見ればだいたい大学の程度が分かる。というユーモアなのかブラックジョークなのか判断しかねる話を聞いたことがあります。

そんな名前ですが、日本人は世界的に見て非常に名前にこだわっている民族かもしません。例えば欧米では名前はポールやジョンなど聖書の人物をそのまま使う人が多いですね。名前ってのはいわば個人の識別記号ですからそれで十分かもしれません。

海外に出ると、国際的な場所は欧米ルールが基本ですから(例えば公用語は英語やフランス語)そういった人達により名前を憶えやすくしてもらうために非欧米圏の人が英語の名前を持っている人も少なくありません。

韓国人や中国人はそういった意味でミシェルやマイケルといった英語風の名前を名乗っている人も多いです。ボストンで韓国人留学生に「モニカです」と初めて言われた時「いや、あなた金か李でしょ」と速攻心の中で突っ込んだことを今でも鮮明に覚えています。

韓国人や中国人は英語名を持っている人は多いですが、逆に日本人で英語名を持っている人に出会ったことはほぼ皆無ですね。欧米人に名前を覚えて貰ったり呼びやすくするためにもちろん工夫する必要がありますが、英語名をそのまま使うというよりは自分の名前を使用してニックネームにする場合が多いです。

例えば「健一郎」さんは短くして「Ken」としたりまた「富岡太郎」さんは名字からもじって「Tommy」という風な形です。日本人はよほど自分の名前に対して「識別記号」以外のこだわりがあるんだと思います。

こういう体験を通してふと思うのですが、日本が以前植民地政策を取っていた際に朝鮮で採用した創氏改名という制度についてです。創氏改名というのは簡単に説明すると「当時日本の領土であった朝鮮半島の人達に日本名を強制して名付けた」という制度です。ちなみにこの「強制」というのが現在「任意」であったのか「強制」であったのか、歴史的に解釈されているのですが、ここでは「強制」であったとして仮定してお話しします。

韓国人はこの創氏改名について日本の非道な行為として取り上げることがあります。「日本人はとてもひどく、我々の名前まで奪ったんだ」的な感じです。そしてそれを聞いた日本人は「まあ、昔の日本はなんてひどいことをしたんだ!!」と自分の国のしたあまりに野蛮な行為に恥ずかしい気持ちで一杯になります。

ここで私が言いたいことは先ほどの留学生の話です。日本人は名前を変えることに非常に抵抗を感じ、中国人・朝鮮人は名前を変えることにあまり抵抗感がないということです。つまり日本人の感覚したら非常にひどいことをしたという認識がありますが、まず、日本人の感覚でなく朝鮮人の感覚にたって考えてみると言うことです。そうしてみると感覚的に多少、苦痛感を割り引く必要があります(笑)

よく相手の気持ちになって考えるとありますが、それと同じく相手の感覚に経って考えてみると日本人ほど名前を変えることに抵抗感がなかったかもしれません。現在の欧米中心の国際社会にあわせて自発的に英語名に変える人がいるのであれば当時は日本領であった朝鮮で本国風の日本名に自発的に変える人もでてきてもおかしくないわけです。

それから相手の気持ちになって考えるということでもう一つ付け加えておきます。よく韓国人は自分たちの国に対して「韓国最高」とか「自分の国をとても愛しています」と言います。逆に日本人は「日本大好き」と、自分の国が好きであるという愛国心、ナショナリズムという物が希薄であると言われています。これは戦前にあまりにナショナリズムが強く、その為に国が滅びかけた反動であると言えますね。

その韓国ですが自分の国が大好きと言っておきながらアメリカやカナダ、オーストラリアなど海外に多くの人が移民となって渡っています。「あれ?自分の国好きじゃないの?」とふと思ってしまいます。(笑)逆に日本は愛国心を表現したりしませんが移民として海外に移住する人は非常に少ないですね。

こういう風に、言葉や感覚と、実際の行動にギャップがあったりします。日本人的な感覚で韓国人が自国に対して表現する愛国心をそのまま鵜呑みにしたら誤解するということです。(笑)これは創氏改名のみならずあらゆる国際的な交渉などでも認識しておかなければならない最重要な国際感覚だと思います。

おしまい

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