日本人のためのイスラム原論
を読みました。
宗教に関してはイスラム原論の他に宗教原論がありますが、宗教原論に比べたらイスラムは相当読みやすいかと思います。宗教原論ではイスラムの他、仏教・儒教・キリスト教などを濃縮して書いているのでどうしても納得できないで押し切られる感がありますが、こちらは全編イスラムについて書かれており他宗教の比較により容易にイスラム教の理解ができます。
どうしても最後にはお決まりの予定説になってしまい、ウェーバー先生のご登場になりますのは小室先生の作品全体の流れなのですが(今回はアノミーと空気(ニューマ)のご登場はなし)この本を読むと作者がいかに凄いか以上にウェーバーが凄いということが理解できます。ある意味本書はウェーバーの解説書です。
実はあまり役に立ったつ実用的な知識(学校のイスラム・キリスト教徒の学生に授業で発言できるようなネタ)はなかったのですが、まあ他に収穫があるのでよしとしましょう。
一つだけ疑問。キリスト教のファンダメンタリストであれば1.神の力が絶対的かつ2.予定説であるのであれば神にリクエストしてもいいのではないのか?
「理由」
1.絶対的な神がお願いによって心を動かされるはずがない。
2.予定説なら彼らのこの行動すら神によって定められている。これにより、神にお願いをすることは不信心ではないのではなかろうか。