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擲弾兵―パンツァーマイヤー戦記 (文庫)

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擲弾兵―パンツァーマイヤー戦記

擲弾兵

600ページ近いこの本を読んだ。

読んだ目的は、この本に電撃戦の具体的な記述があるからだったが、いかんせん600ページは分量が多かった。以下その中から役立ったと思える記述。

『今日公的な立場にある人々は、この信念と犠牲的精神に満ち満ちた若者を「党の私兵」呼ばわりするが、彼らはどこからそんな不屈の精神を身につけたのだろう?この青年たちはドイツのために戦ったのであって、党のために死んだのではない。』(P85)

 これは現在ドイツの戦争責任はドイツでなくナチスにあったということに対する意見。確かに戦争責任はナチスにあったがそのナチスは紛れもなく「ドイツ」から産まれたのである。あと、余談だがアメリカ人はナチという言葉に超敏感。

『ロシア人によるドイツ捕虜の虐殺』(P144)

『カナダ兵の遺体からノートが発見されそこには戦闘法の記載があり「捕虜をつくらず」とあった。』(P363)

 ドイツ人だけでなく連合国も非道なことをしたことへの言及。これはノルマンディー上陸作戦時であるが、連合国はまだ捕虜の扱いなどマシであったので、まあマシかなと。捕虜をつくらずとはつまり相手が投降してきたらその場で処刑ということであり戦闘外と思える死体がたくさんあった。

『サー・サミュエル・ホール(スペイン駐在イギリス大使)は1943年2月25日のスペイン国家元首フランコへの警告の手紙にこう答えている。

「ソ連が戦後ヨーロッパの脅威にになろうという閣下のご意見は受け入れられません。それと同様、ソ連が戦後、西ヨーロッパに対し政治的キャンペーンを発動させるであろうという考えをも退けるものであります------閣下は、共産主義こそわが大陸最大の脅威であり、それんの勝利によりヨーロッパ全土は征服されるだろうとおかんがえのようですが、我々の意見はちがいます。------この戦争のあと、一国だけでヨーロッパを制圧できるものでしょうか?ソ連は再建でそれどころではなく、アメリカとイギリスの援助を受けなければどうにもなりません。ソ連はこの戦争を勝利に導くに辺り、主導的な役割を演じてはいないのです。軍事的努力はみな完全に平等で、連合国が力を合わせて勝利をもぎとるのです。戦後は英米の大軍が大陸を占領するでありましょう。占領軍は一級の軍人からなり、ソ連軍のように疲れておりません。あえていわせていただくなら、イギリスはヨーロッパ最強の軍事力を持つようになり、ヨーロッパに対する影響力はナポレオン没落時のそれに匹敵するでありましょう。この軍事力を基盤として、我々はヨーロッパ全土に重きをなし、ヨーロッパの再建に参加するのであります。」(P506)』 

 まあ、どこをどうしたらナポレオン時に匹敵するのかが全然わからないんですけど、どういう思考回路してんのかな。

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