アメリカでわざわざ「硫黄島」の映画をつくるということですが、わざわざ太平洋戦争中で日本人にあまり知られていないこの作品をつくるということはそれだけの理由があるということですね。最近ではディズニーが「パールハーバー」という映画をつくりましたが真珠湾奇襲は有名な話ですがではなぜ「硫黄島」をつくるのでしょうか。
それは激戦だったことがあげられます。太平洋戦争中、反攻作戦を始めてから唯一米軍の被害が日本軍の被害を上回ったのがこの硫黄島の戦いです。日本軍の死傷者の数は21800人、それに対して米軍が26000人。いかに激戦であったかわかると思います。
そしてこの硫黄島の戦いを含め、太平洋戦争の激戦を勝ち抜いた米軍海兵隊は、世界一の精鋭部隊として評されることになります。現在の米軍最精鋭部隊をつくった戦いでもあるのです。
そしてなりより、「硫黄島」を「Iwo Jima」ならしめたのは、海兵隊員による次の一枚の写真です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Image:WW2_Iwo_Jima_flag_raising.jpg
これは硫黄島の摺鉢山を占領したときの写真です。この写真を見た際に海兵隊の司令部は「この写真だけで今後数百年は海兵隊は安泰だ」といったという逸話も残っているほどのある写真です。当時の米国において、尋常ならざる被害が出た硫黄島では司令部に対して非難の声が強かったのですがこの写真がニューヨークタイムズに掲載された瞬間から非難から賞賛の声にと変化したそうです。
私自身、おそらく今までみたアメリカの国旗の写真で、最も美しい写真であると思います。うまく説明できませんがこの写真は人の心を強烈に動かす何かを持っています。
そう、それが多くの日本兵の屍の上に掲げられていようとも・・・・・