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麗なる文才と辛口ではない文章 ②

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 続きです。

 私が大学生の時に凄く仲のよかった女友達がいました。というのも彼女に出会ったのは異国の地で、日本人がいなかったということもあって私と彼女は性別を超えて「チームジャパン」として一緒に行動をすることが多かったのです。その彼女が帰国することになりました。そして、お別れの際に手紙をもらったのです。

 手紙の内容はとても素晴らしい内容のものでした。その手紙を持ってきたのは韓国人の女の子、ヘイウォンで私達の共通の友人でした。私が読んでいる横で「どんなこと書いてある?」みたいに興味津々で日本語の文章を覗き見しておりました。

 私は涙もろいとか、そう言ったことは一切ないのですが不覚にも感極まって感情が体の隅々から溢れそうになりました。「これはヤバイ」と実感した私は隣にいたヘイウォンに英語で内容を教えて、なんとか気持ちを逸らそうと試みました。

 教えている最中に文章になんて誤字脱字や表現方法が稚拙なのかということに気がつきました。本当はもっと前から気がついていたのですがそれ以上に感情的に読んでいたのでさほど気にも留めていなかったのです。彼女は高卒でその後専門学校に通っていたということでしたが、読む人が読めば拙い文章力であったと思います。

 私は自分の感情を逸らす意味もありヘイウォンにむかって皮肉交じりに「彼女の文章は誤字が多いし、大学に行ってないというだけあって文章力も低いよ。ほら見てこの漢字間違ってる。あ、ここもそう。」と言いました。

 それに対して彼女が言った一言が今でも耳元から離れません。

「Education is not important for the friendship.」

 ちょっと英文としておかしいですが意訳すると「友達に教育水準なんか関係ないよ」という意味ですね。なーんのことはない、彼女は僕が皮肉交じりに言った事をお見通しでむしろ彼女の発言から自分達がどれほど仲が良かったのかを再確認させられてしまいました。

 私はこの経験で人の心を打つ文ってのは結局のところ「文才」ではなく「人」だなと強く実感しました。いつか私も同じように人の心を動かすような手紙を書ける様になりたいと思います。

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