◆雑学

世界は神であり、神は世界である (スピノザ)

投稿日:

こんにちは。あなたは「かみ」を信じますか?私はことトイレにおいて「かみ」を信じます。それそこかみに見放されたら大変ですね。急いでいるとなどは特に大変です。けど、急いだ余りかみの存在をムゲに扱い、故にかみに見放される時がしばしばあります。人は誰もがそういった体験をしたことがあるはずです。そんな絶望の時に天を見上げると「かみ」を発見できる時があります。そうです「かみ」は存在するのです。

 そもそも、宗教というものは神様を信仰することにあります。不思議なもので全世界の至る所、人間が生活している集団社会には、どんな未開部族も必ずといっていい程、自然界に存在するかわからない神を信仰しています。世界中に文字持たない原始的な部族は沢山います。それこそインカ帝国という高度な文明を持つアンデスの大帝国でさえ文字を持っていませんでした。そんなインカ帝国も祭祀国家でした。不思議なものですね。

 さて、そんな中で世界には一神教と言われる集団があります。キリスト教・イスラム教・ユダヤ教です。今日の世界3大宗教の2つまでが1神教です。1神教とは絶対神を唯一の神として捉える宗教です。そんなわけで一神教に迫って見たいと思います。

 一神教は今日ではメジャーな宗教ですが歴史的に見ると本来はマイナーな宗教です。古代ギリシア・ローマを見てもわかる通り彼らの世界は多神教世界(ゼウスとかアテネとか恋愛の神・戦争の神・酒の神様など神様のオンパレードです)で数々の神様が神話には登場します。日本も八百万の神という言葉がある様に多神教ですね。山には山の神、川には川の神、自然界の至る所に神様はいます。時折ドラゴンボールも作っていますね。

 さて、この一神教とは一体何なのでしょうか?そもそもの原因はユダヤ教です。このユダヤ教とそれを元にした一神教が世界を席巻したために世界的に一神教はメジャーな宗教となっただけです。これは現在でたとえて見ると今日の英語と同じです。決して英語は語学の中で優れた言語ではありません。発音など規則性がなく仏語に比べたらデタラメだと思います。ヨーロッパの辺境の一島国が世界を席巻してしまったために世界標準語となっていますが、本来なら欧州の田舎の一地方言語に過ぎません。言語的に世界標準言語になるような優れた言語なら他にもっとあるんですね。

 さて、1神教の歴史をまとめて見ましょう。一神教は「経典宗教」であり、「経典宗教」には3つの特徴があります。「神・開祖・経典」の3点セットです。具体的に見るなら

キリスト教が「God・キリスト・旧約・新約聖書」

イスラム教「Allah(アッラー)・ムハンマド・コーラン」

ユダヤ教が「Yahweh・モーゼ・旧約聖書」

です。そしてこれらの宗教のすべてはユダヤ教から始まっています。

 ユダヤ教はパレスチナで発生した宗教です。最大の特徴はYAHWEHを絶対神とする一神教が特殊です。そもそもユダヤ人の歴史は辛酸を受け続きた受難史といっていいでしょう。その為彼らのこう考えます。

「現在の自分たちが苦しいのは、我々が神に選ばれたからである。この苦難は神が試練として我々に与え給うたのだ。」

かなり突っ込みどころ満載のポジディブシンキングですが、当時彼らはノアの箱舟で史上最大の水害にあったり、バビロニア捕囚にあって民族まるごと奴隷になったり、とそれこそ不幸のどん底でした。そういった中で「絶対神としての一人の神による心の救済」が必要なのだったのでしょう。そうでもしなければあまりに悲惨すぎて現世においてやっていけなかったのでしょう。

 そして、このアジアとヨーロッパとの中間に位置するパレスチナのちょっと変わった1地方宗教(神を唯一の絶対神のみとする)が後の世界的に大きな影響をあたえることとなったのです。それこそ英語のように。

 キリストはユダヤ人であり(違ってたらすいません)ユダヤ教を自己流に解釈し、いわば亜流のユダヤ教をつくりました。これが初期のキリスト教です。ユダヤ教は戒律が非常に厳しい。食べ物にしたって食べられるものがかなり制限されている。何をするにもタブーが多くて不自由です。それをもっと優しくしたのがキリスト教なんですね。

 また、イスラム教はさらにその数百年後にその「キリスト教」と「砂漠の民ベドウィン文化」とマホメット自身の「商人」としての経験をミックスさせた宗教です。特にイスラム教はキリスト教が世界宗教となる際に多くの矛盾点を抱え、それを修正して来たのを参考にしてきたので宗教としての完成度はピカイチです。実際にコーランの中でも「もしイスラム教を信じないのであれば論破してみろ」と挑戦的に書かれている部分があるほど完成度に自信を持っています。

 ユダヤ教以外の宗教がユダヤ教を元にしているというのは、そもそもユダヤ教の経典の旧約聖書をキリスト教は新約聖書と共にバイブルにしていますし、キリスト教の後に誕生したイスラム教も旧約・新約聖書をコーランには劣るが重要なバイブルとして扱っております。

キリスト自身も「最後にして最大の預言者」であるムハンマドの前に登場した偉大な預言者であるとしるされていますし、同じようにユダヤ教のモーセもムハンマド以前の預言者の一人として大切に扱われています。

 こうしてみると、これらの宗教が別々に発生したということではないんですね。古代パレスチナを源流とするお互いがつながりある宗教です。この一神教にとって最大の出来事が、キリスト教が古代のローマ帝国において国教として認められてことではないかと思います。これによって現在までの活躍がほぼ約束されたといっていいのではないのでしょうか。ユダヤ教に端を発した一神教は、中性に置いて欧州でキリスト教・アラブ世界においてイスラム教とそれぞれの環境に合わせた宗教へと柔軟な変化をしていくことで、世界を席巻して言ったのだと思います。 おしまい。

-◆雑学

Copyright© 楊屋商店 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.