PSP DS

PSP vs DS の歴史 前編

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1.PSP vs DS の歴史

 星のカービィという任天堂を代表する一つのゲームがあります。このゲーム、任天堂としても将来任天堂を代表するゲームになるとは発売前には考えていなかったようで、実際にも初回の出荷受注を2万6千本と、少なめに見積もっていました。しかし販売間際になってこのゲームをプレイした「マリオ」や「ゼルダ」の生みの親「宮本茂」はこう言いました。

「ちょっといじるだけで物凄く面白くなる。」

 この発言を受けカービィの発売を中止、新たに再調整されリニューアル出荷されたカービィは、最終的に日本国内で約172万本、世界累計500万本以上を売り上げる任天堂を代表するキャラクターゲームになりました。(*1)

さて宮本茂が言ったこの言葉、「ちょっといじるだけで物凄く面白くなる。」この言葉と同じ可能性を秘めた電化製品があります。それはPSPです。

「え!今更PSP?」

と言われるかもしれませんが、PSPを直接いじってもらえばわかりますが、あのゲーム機は性能だけなら史上最高のゲーム機といってもいいかもしれません。それこそ「性能至上主義」を掲げたソニーのゲーム機の、恐ろしいまでの性能とポテンシャルの高さを実感できます。

さて、このPSP、何故そんな可能性を秘めているかと言うことをPSPの販売元であるソニーと照らし合わせて説明していこうかと思います。

引用
(*1 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E8%8C%82)

2.PSPについて

「YO!!PSPって売れてるのか?世間ではDS圧勝、PSP涙目wwwって印象を受けるんだけどな。そもそもPSPの有名なソフトひとつでもいえるか?」

「うーんそうだね。PSPのライバルであるDSと照らし合わせてみると面白いかもしれないね。wikiの販売状況によるとねぇ~

DS  日本 販売数 2500万台 世界累計1億台!!
PSP 日本 販売数 1000万台 世界累計5000万台!!

と出ているね。ちなみにDSの一億台突破の速度は歴代ゲーム機最速らしいね。」

「なるほどね。(あくまでY子ちゃん風に相槌でね。)こうやってみるとPSPも国内1000万台と意外と善戦してるんだな。」

「確かにDSに圧倒されてるというイメージがあるが、PSPはダメな子じゃなくて、やればできる子なんだよ。実際、2番手のゲーム機で1000万台を売り上げるというのは今までになかったことらしいんだ。PSPも国民の10人に1人が持っていることを考えれば十分に大成功しているハードだといえると思うよ。ただ不運なことに、DSが史上最速1億台という空前の大ヒットしてるためにかすんでみえてしまうんだ。」

「そっかそっか。じゃ、DSに勝つためにPSPがどうすればいいのかあんたの意見を聞かせてくれよ」

「そうだね。PSPが「ゲーム機である」ということを踏まえて考えてみると、PSPの今後とるべき方向性はいくつかあると思うよ。そもそも世界累計5000万台なら、現在と同じコンセプトを継続しても十分成功すると思うんだけどね。ま、DSの後継機種の前にかすんでしまうかもしれないが(笑)。それじゃ、いくつか提案してみるね。このPSPが今後とるべき方向性。これがPSP戦略でもっとも大切なことだといえそうだね。それは、PSに覇権を奪われたニンテンドー64・ゲームキューブ以降、任天堂がDS・Wiiとゲーム機としてのコンセプトを明確にして復活・成功してきたことを考えてみると当然のことかもしれないね。」

3.「人の形、PSPの形」 

「さて、前回の続きだな。PSPの方向性について聞かせてもらおうかマスター」

「マスターじゃないけど、そうだね。私なりにPSPについて考えられる方向性をあげてみようかと思うよ。ひとつは、『DSを上回る携帯型ゲーム機としてシェアトップを奪う』ことだね。そもそもPSP自体が、プレイステーションでゲーム機市場で任天堂からトップを奪ったソニーが、その勢いをそのままに「ゲームボーイのシェアも奪ってやれ」と鳴り物入りで携帯型ゲーム業界に殴りこんだんだから、当然といえば当然だよね。」

「確かに!PS3を発表する際に社長が「ゲーム機だと思ってもらっては困る」という迷言!?を述べた後にPS3がWiiに大苦戦したよね。そう考えると、同じ轍を踏まないようにPSPがどういった道筋をたどるべきか明快にわかるような気もするね。故人曰く『歴史に学べ』とね。それじゃあゲーム機としての本道に戻る以外に他の方向性はあるの?」

「もうひとつはだね。PSPの高性能を生かして「ついでにゲームもできる」というコンセプトの「携帯型マルチメディア端末」として活路を見出す、という選択肢があるね。マルチメディアのひとつがゲームってわけだ。」

「へぇ~つまり久夛良木社長のゲーム機ではないといった発言を逆手にとって、逆にとことんゲーム機以外の部分を突き詰めちゃうってわけだな。さしずめライバルはipod・iphoneを擁立するアップルってところかな?」

「そうかもしれないね。ただ、もちろん、一朝一夕にはできない課題も山積みだと思うよ。これはある意味、空想と言ってもいいかもしれないね。ただ、それをやる地力が親会社がソニーであるからこそできると思うんだ。逆に言うとこれをできるのは現時点でソニーやアップルなど技術力・資金力から判断して片手に数えられた企業にしかできないってことなんだよね。ま、この夢物語の前に現実に戻ろうよ。そんなわけで次回はゲーム機として打倒DSに特化したPSPを考えて見たいと思うよ。」

4.PSPの目標は打倒DS!! 

「DSキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!! (゚∀゚)キタコレ.」

「おいおい、テンションあがりすぎだな。盛り上がってる所で悪いが、打倒DSを考える前にまず、DSがなぜそもそも売れたのか?ということを考えてみたいね。DSのすごさがわかったところで、じゃあPSPは今後どうすればいいのか?といった課題が浮き彫りになってくると思うからね。ま、DSの凄さだけが分かって「PSPでは勝てない」っていう敗北感に圧倒されないように祈りたいがね・・・。」

「じゃ、DSの何が凄いか教えてくれよ?」

「うーん、何が凄いかってもう、説明するのも面倒くさいぐらいなんだけどね・・・。一例を挙げれば、DSは任天堂の伝統的なお家芸『枯れた技術の水平移動』を体現した機種であるといえるんだね。」

「枯れた技術の水平移動???」

「うん、これは現時点ではもう技術的に完成しており安定し性能を発揮できる技術を(場合によっては陳腐化した技術を)他の分野に当てはめて、新境地を開発するといったものなんだ。たとえば、スクリーンに直接タッチして入力するタッチパネルはDSが登場した当時、驚くような最新技術ではないよね。多くの人は、PDAを入力する時や図書館で本を借りるとき、駅で切符を買う時など一度はタッチパネルを触った経験があると思う。技術的には既に確立された技術なんだよね。ただ、それをゲーム機に使用するといった斬新なアイデア、つまりコロンブスの卵的な活用がこの『枯れた技術の水平移動』っていわれるものなんだよ。」

「なるほどね。確かにタッチパネルは最先端の技術ではなく、街中でも簡単に見られるものだな。ま、個人的には耐久性が不安で強く画面を押せないんだけどな。」

「うん、それにタッチパネルの他にDS特徴と言えば液晶画面が2つあるということだよね。初めてDSをみた時に「2つも画面が必要か?」とか「2つあるならでっかい画面1つでいいよね。」って思った人も多いはず。けど、いま画面2つはアリって聞いたら多くの人が「アリ」っていうと思うよ。そもそもDSの名称の意味は『Dual Screen』または『Double Screen』から名づけられているぐらいだからね。」

「へぇ~DSってそんな意味があったんだ。知らなかったわ~。」

「そうそう。つまりこれらのことを踏まえるとソニーはPS時代に圧倒的な性能差で64やゲームキューブに勝利してきたことを顧みれば携帯ゲームでは単にマシンの性能差、つまりスペック至上主義で勝利するってのは難しいみたいだね。」

「どうも話を聞いてるとぶっちゃけPSPがDSに勝つのは不可能に思えてきたんだけどね。どうなんだよ?そこんとこよろしく。」

「うーーーん、正直自分もDSの強みを述べていたらPSPが勝つ可能性がないんじゃないかという自信が確信に変わってきたよ。

次回は続けてDSと携帯ゲームの強みについて言って見たいと思うよ。じゃ、またね。」

5.PSPについて その2(昨日からの続き)

「YO!!PSPって売れてるのか?世間ではDS圧勝、PSP涙目wwwって印象を受けるんだけどな。そもそもPSPの有名なソフトひとつでもいえるか?」

「うーんそうだね。PSPのライバルであるDSと照らし合わせてみると面白いかもしれないね。wikiの販売状況によるとねぇ~

DS  日本 販売数 2500万台 世界累計1億台!!
PSP 日本 販売数 1000万台 世界累計5000万台!!

と出ているね。ちなみにDSの一億台突破の速度は歴代ゲーム機最速らしいね。」

「なるほどね。(あくまでY子ちゃん風に相槌でね。)こうやってみるとPSPも国内1000万台と意外と善戦してるんだな。」

「確かにDSに圧倒されてるというイメージがあるが、PSPはダメな子じゃなくて、やればできる子なんだよ。実際、2番手のゲーム機で1000万台を売り上げるというのは今までになかったことらしいんだ。PSPも国民の10人に1人が持っていることを考えれば十分に大成功しているハードだといえると思うよ。ただ不運なことに、DSが史上最速1億台という空前の大ヒットしてるためにかすんでみえてしまうんだ。」

「そっかそっか。じゃ、DSに勝つためにPSPがどうすればいいのかあんたの意見を聞かせてくれよ」

「そうだね。PSPが「ゲーム機である」ということを踏まえて考えてみると、PSPの今後とるべき方向性はいくつかあると思うよ。そもそも世界累計5000万台なら、現在と同じコンセプトを継続しても十分成功すると思うんだけどね。ま、DSの後継機種の前にかすんでしまうかもしれないが(笑)。それじゃ、いくつか提案してみるね。このPSPが今後とるべき方向性。これがPSP戦略でもっとも大切なことだといえそうだね。それは、PSに覇権を奪われたニンテンドー64・ゲームキューブ以降、任天堂がDS・Wiiとゲーム機としてのコンセプトを明確にして復活・成功してきたことを考えてみると当然のことかもしれないね。」

6.「さてマスター、引き続き最強DSについてだったよな。」

「そうそう。史上最速でハード機売り上げ1億台を突破したDS、いかにもこの世の春を謳歌しているかの印象を受ける任天堂だけど、実際DSを販売した時期は任天堂はかなり危険的な状況だったんだよね。」

「ええ、かの有名な任天堂冬の時期の話ですね。わかります。」

「ここはPSPの新製品の話だから関連する話だけ簡潔にすると、次世代機と呼ばれたゲーム機の日本での売り上げを見てみると

プレイステーション(PS)   2100万台
NINTENDO64(64)       554万台  

プレイステーション2(PS2) 2500万台
GAMECUBE(GC)        404万台

と任天堂は圧倒的な窮地に陥っていたわけなんだね。」

「圧倒的だな、わが軍は!戦いは数なんだよ兄貴。そういうことだろ?」

「そうそう。けどこの時期に任天堂は堪え忍ぶだけでなく、色んな事を学ぶ時期でもあったと思うんだ。故人いわく「歴史に学べ」とね。一例を挙げればサードパーティーに天狗であった経営態度も改めてソフト会社に優しくなったりしたんだよ。この時期の任天堂はPSから「シェアを奪還する」というよりはむしろどうしたら今後「ゲーム業界で生き延びていけるのか?」と大げさに言ってもいいぐらい危ない状況にあったと思うんだ。(64やGCのシャアは低下してきていたが、純粋に商売としては十分成功してる状態であった)

「確かにな。PS2になりサードパーティーと呼ばれるソフト会社が、高スペックなハードの性能に押されてソフトの開発が難航する中、GCはプログラマーに優しいハードを標榜してそういった目線からのアプローチをしていたよな。腰ひっく。」

「私が先ほど、危機的といった状況を説明したのはこういったサードパーティーが開発し易いハードであるGCを開発したにもかかわらず、64以上にGCの売り上げが少なかったことだね。こうした事態に直面したら経営陣は次のハードは更に売り上げが落ち込むことを予想してしまってもおかしくないだろうからね。」

「なるほどね。(あくまでY子ちゃん風に)それじゃあ任天堂はPS1・PS2を通じて完全にPS陣営にノックダウンされちゃったの?」

「いや、そんなことはないよ。」

「やらせはせん。やらせはせんぞ!!ってとこか?」

「確かに任天堂は危機的状況であったのは事実だよ。けれども、そんな冬の時代に任天堂は高い授業料を払って多くのことを学び、

臥薪嘗胆をしつつ虎視眈々と捲土重来の機会を伺っていたわけです。

というわけで次回はこの時代にまなんだこと ゲームってなに?ってことです。」

7.「第7回だな。いつまで続くんだ?」

「ええとねえ、ほんと長くてすいません。任天堂の冬の時代なんて本来語る必要なかったよね。予定ではこの後、2回でDSvsPSPを終えてもう一つのPSPvsマルチメディアを3回~5回ぐらいで終える予定だと思う。全12回だよ。芳樹ばりの職場放棄にならないことを祈ってくださいね。」(注・ちなみに今書き込んで見たら恐ろしいぐらい長かったので第6回は2つに分割します。途中で続くになります。)

http://www.tanautsu.net/tanautsu03.html

「んじゃ、マスター、冬の時代に任天堂が学んだことを教えてくれよ。」

「うん、これは簡単なんだね。というのも、ここで学んだ事がDSとWiiのどちらのマシンにも如実反映されているんだよ。」

「と言うと?」

「PSでなくあえて64やGCを買ってまでゲームをするということは、本当にやりたいゲームってことだろ。そういったユーザーが本当にゲームに求めているのは何か?っていうのを身をもって実感するいい機会になったって事だよ。

例えば、スマッシュブラザーズ・マリオカート64は対戦で盛り上がったし、ポケモンはポケモン同士の「交換」という通信機能で盛り上がった。つまり一人でやるというよりみんなでわいわい楽しむっていうことが重要な要素になってるよね。

ちなみにもう一つ特徴をあげておくと、これらのゲームをプレイしたのが小学生や中学生といった若い世代であって、子供達や10代の若い世代をターゲットとしてピンポイントでヒットしたと言うことも付け加えておくよ。

ま、そういうわけで、つまりゲームってのはRPGの様に一人でやるゲームも面白いけど、任天堂はみんなでわいわい楽しむ「娯楽ゲーム」という双方向性のあるゲームに注目し、特化しようとしたわけなんだよね。

ソニーの様な総合家電メーカーでパソコンも作っているような会社が開発するPSシリーズにはもうゲームのスペックではかなわない。むしろ自分達は自分達で出来ることをやろう。そういった気概を感じるよね。

また、任天堂にとってそういった状況の変化は追い風へとつながったと思うね。業界で覇権を握ったPS陣営が高スペック化・高価格化・開発の困難化が深刻な問題になり、結果的に自らの首を苦しめ事と違い、任天堂はリラックスして肩の荷をおろして身の丈にあった自由な開発できたことも大きいよね。

また、任天堂にとってテレビゲームというものが、本来は子供向けの「おもちゃ・娯楽玩具」を原点として、そこから他の世代に発展してきたという自らの立ち位置を再確認できたこともゲーム開発の基本に戻るよいきっかけになったと思うよ。そういったことが結果的にDSの成功に結びついたと思うんだ。

「もちろんゲームボーイ時代からPSPと違い携帯ゲームを作り続けていたノウハウもあるし、ポケモンという500万本を出せば必ず売れるといった(それだけでハードの販売が500万台確約される)キラーソフトがある。

そういった遺産をうまく使ったのも事実だけど、据え置き型のWiiも同じように成功していることを考えると、ゲームのコンセプトをがらりと変えてみたことがヒットした最大の要因であるとに思う。

特に累計売り上げを見ると脳トレといったような今まで見たことがない様なソフトと、ゲームを今までやったことがなく興味がなかった世代を新たな顧客として取り込むことに成功したのは大きかったね。

PS陣営がこの時期にとにかく高スペックな性能で他社に差をつけようとしていた時期に、スペック勝負にこだわらず、とにかく『面白いソフト』を作ろうと目標を絞れたのが成功の要因だね。

それにPSと違い最先端の技術を使っていない分、ハードの制作費としてのコストが大幅にダウンされ、PSPがハードのとしての採算を度外視し普及をさせるために値段を据え置いているのと違い、ハードの売り上げでも大きな利益をあげているのも大きな強みだね。」

「確かにDS Liteが発売される前のオリジナルのDSのデザインといったら凄かったな。どうしてあんなデザインかと思ったけど、そういった見てくれとかそういったモノをすべて排除して、ただひたすら良いモノを作った結果であったんだ。」

「ま、あれについてはなかったことにしておいて下さい。今じゃもう見かけないよね。なかったことになってるのかな?世の中には触れてはいけないってものがあるんだよ。

じゃ、次回はようやくと言うかとうとうと言うべきか、PSPについて語ってみようか。こういうDSの事情を踏まえてどうPSPをマネージメントしていくか?ってことだね。横道が長かった。ハァ~」

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