ルーズベルトが大統領として評価が高いのですが私は最近どうなのかなぁと思っています。
1.ニューディールは成功?
2.冷戦の原因をつくったのはこいつじゃねえ?
の二点からです。
ニューディールはよく言われてますね。最終的な合衆国の不況の脱出は第二次世界大戦です。ケインズ理論による政府への市場の介入が成功したかどうかはわかりません。近年、もし戦争がなくてもそのままニューディールを実施していれば不況を最終的には脱していただろうといわれるのをネットで見かけましたがイマイチどうかわかりません。
冷戦の原因ですが、一般にルーズベルトは第二次大戦を勝利に導いた不朽の業績により彼の名大統領としての地位は確立されています。けどですね、あのころのアメリカであれば、誰であっても本気を出せば勝てたと思うんですよ。っていうか、毎月空母を一隻の割合で造船しているアメリカの経済力があれば、あの当時大学さえ卒業してれば誰でも勝てたというか、負ける方が難しいんですよね。
それ以上に重要なのが、ヤルタ会談と冷戦の初期です。どうも彼はちょっとスターリンのことを信頼していたらしく、全ても見抜いていたチャーチルのことを冷淡に取り扱っております。しかも終戦4ヶ月前に死んで、外交には音痴なトルーマン(彼は内政専門、でもこの時期において重要なのは戦争中だから当然外交能力)が就任してそれこそ混迷を極めます。西ドイツ、韓国の成立はそれこそルーズベルトの甘さによってできたのではないかと思います。そういった意味で私はルーズベルトには辛い採点なんですね。
おまけ。ルーズベルトと違い、チャーチルはソ連とスターリンの本質の全てを見抜いていました。だがこの当時の英国は、世界に名だたる「大英帝国」からもはやただの一国にすぎない「イギリス」へと落ちぶれていました。アメリカの協力をなくしてイギリスのみで政策を推し進められなかったのです。さらに、チャーチル自身もイギリスの首相にすら選ばれず、国際舞台から退場を余儀なくされていたのです。そんな失意の彼がアメリカのフルトンで演説したのが有名な「鉄のカーテン」の演説です。ヨーロッパの現状を表現した見事な洞察力です。そして、世界がまた彼を必要とし、再び首相の地位に戻ったときには全てが後の祭りだったのでした。